
はじめに:安さの裏にある「速度への不安」
「イルモって安いけど、通信速度は大丈夫なの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
NTTドコモの新料金プラン「irumo(イルモ)」は、月額550円〜という驚きの安さで注目を集めています。しかし、格安SIMや低価格プランにありがちな「速度が遅くてイライラするんじゃないか?」という不安から、契約をためらっている人も少なくないはず。
この記事では、関東・関西・地方の3エリアでの実測データをもとに、イルモの通信速度を徹底検証。さらに楽天モバイル・IIJmio・mineoとの比較も行い、どの程度「使える」のかをレビューしていきます。
イルモとは?かんたん解説
イルモ(irumo)は、NTTドコモが2023年から提供している新料金プラン。格安SIMのような価格帯ながら、ドコモ回線をそのまま使えるのが最大の特徴です。
- 月額料金:550円〜(0.5GB)
- 回線品質:ドコモ本家と同じネットワーク
- 容量プラン:0.5GB / 3GB / 6GB / 9GBから選べる
- 速度制限あり:0.5GBプランは最大3Mbps、超過時は最大300kbpsまたは128kbpsに制限
ahamoやeximoと違い、5G非対応・容量小さめ・速度制限ありという仕様ですが、そのぶん価格が圧倒的に安く、ライトユーザー向けの選択肢として人気を集めています。
イルモの通信速度:実測データから見える実力
イルモの通信速度は、実測データから見るとかなり健闘しています。
- 平均ダウンロード速度:44~97Mbps前後
- アップロード速度:約10~12Mbps
- Ping(応答速度):40~50ms
これは格安SIMとしては十分高速で、日常使いにはほぼ問題のない水準です。
こんなことが快適にできる!
平均40Mbps以上あれば、以下のような使い方は快適に行えます。
- YouTubeのHD画質再生
- ZoomやLINEのビデオ通話
- SNS・Web検索・Googleマップなどの閲覧
- スマホゲームのダウンロードやアップデート
逆に、速度が落ちたとき(300kbps〜3Mbps)でもこんな使い方はOKです。
- テキスト中心のLINEやメッセンジャー
- ニュースサイトなどの軽量Webページ閲覧
- Spotifyなど音楽ストリーミング(低音質)
時間帯による速度の変化
どんな通信プランにも言えることですが、イルモも「混雑時間帯」は通信速度が落ちます。
特に遅くなるのは…
- 昼の12時〜13時(お昼休み)
- 夜の20時〜23時(帰宅・就寝前)
これはドコモ自身が明言していて、イルモの通信はネットワーク混雑時に「優先順位が低い」とされています。つまり、同じドコモ回線でもahamoやeximoより速度が落ちやすいということ。
実測データの一例(関東)
- 朝(5時〜9時)→ 20Mbps前後
- 昼(12時台)→ 10〜20Mbps程度に低下
- 夕方〜夜(16時〜23時)→ 平均25〜80Mbpsまで回復
このように、混雑時を除けばかなり高速。昼に少し我慢すれば、普段使いにはまったく問題ないレベルです。
エリア別:イルモの通信速度の違いとは?
イルモはNTTドコモの回線を使用しているため、基本的には全国どこでもエリアが広く、つながりやすいという特長があります。ですが、実際の通信速度には地域によって差が出る場合もあります。
ここでは、関東・関西・地方の3エリアでの傾向をそれぞれ見ていきましょう。
関東エリア(例:東京都内)
- 平均下り速度:115Mbps前後(ピーク時は20Mbps前後に低下)
- 都市部は高速だが、混雑時は極端に遅くなることもある
例:池袋駅周辺で「昼に通信できないほど遅くなる」という報告もあります。
ただし、空いている時間帯や場所では100Mbps以上の超高速通信が可能。
▶ 傾向まとめ:場所と時間によってバラつきが大きいが、普段は非常に高速。
関西エリア(例:大阪市内)
- 平均下り速度:65〜100Mbps
- お昼の時間帯は14Mbps前後まで落ちることもあるが、夕方以降は高速に回復
オフィス街では混雑があるものの、住宅街や郊外では安定して速度が出るという声もあり。
▶ 傾向まとめ:混雑時間の影響はあるが、基本的には安定して使える。
地方エリア(例:東北・九州・中国地方など)
- 下り速度の目安:30〜80Mbps(地域により差あり)
- 都市部は問題なし、郊外や山間部では10Mbps前後まで落ちることも
例:東北・北陸・中国エリアは比較的高速傾向。
一方で、九州・沖縄の一部では速度が出にくいケースも。
▶ 傾向まとめ:ドコモの強みであるエリアの広さが活きており、地方でも安心感あり。
イルモの通信速度の特徴まとめ
イルモは格安SIMと比べても独自の特性があります。ここで整理しておきましょう。
✅ 特徴①:ドコモの4G回線をそのまま使える
イルモはドコモの本家ネットワークをそのまま利用。
他のMVNOのように間借りする形ではないので、エリアの広さと安定性は非常に優秀です。
▶ 特に地方や建物内で、つながりやすさは圧倒的。
✅ 特徴②:0.5GBプランは常時3Mbpsに制限
最安プラン(0.5GB/550円)は最初から通信速度が3Mbpsに制限されます。
ただし、3Mbpsあれば以下のようなことは可能です。
- YouTubeの標準画質動画
- SNSやニュースサイトの閲覧
- 音楽ストリーミング(低音質)
▶ 節約重視&ライトユーザーにはぴったりの仕様です。
✅ 特徴③:容量超過時は128kbps or 300kbpsに制限
- 0.5GBプラン超過 → 最大128kbps
- 3GB〜9GBプラン超過 → 最大300kbps
この制限下では画像の多いページや動画は厳しいですが、LINEやメールは可能です。
✅ 特徴④:混雑時は速度制御されやすい(優先度が低め)
公式にも記載がある通り、ネットワーク混雑時にはイルモは優先順位が下げられます。
特に昼や夜のピーク時間に速度が下がるのは、この制御の影響です。
▶ それでも、多くの時間帯で10〜40Mbps以上は安定して出るため、日常利用には十分です。
他社(楽天・IIJmio・mineo)との速度・安定性比較
ここからは、イルモとよく比較される3社との違いを見ていきます。
■ 楽天モバイルとイルモの比較
項目 | 楽天モバイル | イルモ |
---|---|---|
平均速度 | 下り160Mbps以上 | 下り40〜90Mbps |
回線 | 自社回線(エリア狭め) | ドコモ回線(全国エリア) |
データ量 | 無制限(条件あり) | 0.5〜9GBまで固定 |
通話 | 楽天リンクで無料 | 通常通話(有料) |
弱点 | つながりにくい場所がある | 混雑時に速度が落ちる |
▶ たくさん使いたい人は楽天、安定性と安心感はイルモが有利。
■ IIJmioとイルモの比較
項目 | IIJmio | イルモ |
---|---|---|
平均速度 | 下り40〜60Mbps(時間帯による) | 下り40〜90Mbps |
回線 | ドコモ / au回線のMVNO | ドコモ本家回線 |
昼の速度 | 遅くなりやすい(5〜10Mbps) | やや落ちるが10〜20Mbps維持が多い |
プラン料金 | 月2GB 850円〜 | 月0.5GB 550円〜 |
特徴 | 料金が安く端末セット割が豊富 | ドコモ品質で安定感あり |
▶ 昼の速度を少しでも重視したいならイルモ、安さ・機能重視ならIIJmioが魅力。
■ mineoとイルモの比較
項目 | mineo | イルモ |
---|---|---|
平均速度 | 昼は数Mbps、他は20〜60Mbps | 昼10〜20Mbps、他は40〜90Mbps |
回線 | ドコモ / au / ソフトバンク | ドコモ本家のみ |
特徴 | マイそく(使い放題1.5Mbps)など独自サービスが豊富 | シンプルで安定した通信品質 |
昼の制限 | マイそくは通信不可時間帯あり(昼) | 昼もある程度通信可能 |
▶ 柔軟なサービスで楽しむならmineo、速度と安定性ならイルモ。
ユーザーの口コミ・評判は?
実際にイルモを利用しているユーザーの声を見てみると、好意的な意見だけでなく、不満の声もいくつか見られます。ここでは、そんなリアルな口コミを「良い点」「気になる点」に分けてご紹介します。
✅ プラス評価(良い口コミ)
- 「格安SIMより昼の速度が安定してて快適」
→ MVNOではお昼に数Mbpsしか出なかったのが、イルモでは10〜20Mbps出て満足という声。 - 「ドコモのエリアが使えるので、田舎でも安心」
→ 地方や山間部でも電波が途切れにくく、安心して使えるという評価。 - 「昼に少し遅くなるけど、SNSと動画は問題なく見れる」
→ 制限があるとはいえ、YouTubeやインスタの利用には大きな支障なしとのこと。 - 「以前のMVNOよりも断然ストレスが少ない」
→ IIJmioやmineoなどからの乗り換えで、体感速度が改善したという声が多い。
⚠ マイナス評価(気になる口コミ)
- 「お昼の12時台はやっぱり速度が落ちる」
→ 特に都心の駅周辺やオフィス街では、極端に遅くなることも。 - 「0.5GBプランは常に3Mbpsで遅く感じる」
→ 安さ重視の最安プランは速度制限あり。用途によっては物足りない。 - 「5Gが使えないのはちょっと残念」
→ ドコモ本家のプランとは異なり、イルモは4G通信のみ。 - 「大容量プランがないのでヘビーユーザーには不向き」
→ 9GB以上使いたい人には物足りず、他プランを検討する必要あり。
このように、ライトユーザーや安定志向の人には好評価が多く、ヘビーに使いたい人にはやや不満もあるというバランスです。
▶ 他社からの乗り換えコメント
- 「mineo使ってたけど昼が遅すぎて限界。イルモに替えてからストレス減った」
- 「IIJmioより昼速いし、料金もあまり変わらないからイルモにした」
- 「楽天はデータ無制限だけど地下で繋がらなくて困った。イルモの方が安定してる」
どんな人にイルモはおすすめ?
以下のような人には、イルモは非常におすすめです。

✅ 月のデータ使用量が9GB以内
イルモは大容量通信には不向きですが、9GB以内ならかなりお得に使えます。
✅ お昼の速度が多少落ちても気にしない人
SNS・動画が「止まらなければOK」な人には十分。
✅ 通信品質・つながりやすさを重視する人
ドコモのエリア品質そのままなので、地方・山間部・建物内でも安心感があります。
まとめ:安さと品質のバランスがちょうどいい、イルモ
イルモの通信速度は、想像以上に快適です。
関東・関西・地方を問わず、幅広いエリアで安定して利用でき、
混雑時間帯にはやや速度が落ちるものの、極端に遅くなることは少ないのが特徴です。
他社と比較しても、コストパフォーマンスに優れ、無駄のないプラン構成が魅力。
まさに「安かろう悪かろう」ではなく、“ちゃんと使える安さ”を実現しています。
「ちょっと気になるけど、ちゃんと使えるのか不安…」という方は、
まずは月額550円の0.5GBプランから気軽に試してみるのがおすすめです。
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